我道がどう?
テレビアニメの「ガドガード(GADGUARD)」を最終回まで観た。
昔未来な感じの都市を舞台に、さまざまな階層の少年少女達が、偶然手にした大型ロボットを使ってアレコレする話。アレコレというのが、素直に悪者退治ではないところがミソで、力はあるがそれをどう使うかで各人の対応が違うわけです。ノーチェックの作品ながら、
なんとなく1話を録画して観たら、これが大当たり。ポップな音楽にナイスな作画とキュートなデザインのクールな物語。8話ぐらいまでは実に隙のない面白さ。中盤以降は作画もストーリーも失速気味でしたが、地上波放映版は終盤手前で放映終了していたので、
暫定的な感想のみに留めていました。
で、やっと最終回まで観たわけですが、序盤で予感されるような勧善懲悪的暗闘や階級闘争ものではなく、自分探しの旅という極私的なテーマだったのはびっくり。貧乏人が自分の思い通りに動く巨人を手に入れたからといって、神にも悪魔にもなれやしないという、まっとうと言えばまっとうだが、実につまらない中盤の展開の末、自分らしさを見つけたらロボはいらないと言われてもねぇ。そもそも、主人公の住む環境自体、貧しいけど真面目に働けば生活できて、おまけに協力的な大資産家の娘までいるわけだから、ロボットがいなくても何とかなるっちゃなる。終盤は破滅的な雰囲気だったのに、ラストまで観たら、主人公がロボットで誰かを倒さなくても何とかなってたしな。あの騒動は何だったのやら。思うに、心の持ちようで解決する程度の葛藤は、衣食住が保証されてる一定レベル以上の人間だけに許された特権ではないだろうか。世の中には普通にやってちゃどうにもならない問題というのが確かにあるし、だからこそ、そこから這い上がる、あるいは破壊する力の象徴としてロボットがあったはず。そこが否定されてる所が、この作品の独自性ではあるのだが、あまり成功しているように思えない。複数のメインキャラクターを分散して動かすより、ありがちでも強制的にパーティを組ませた方が良かったと思う。そして、最後まで都市の中での物語として完結させるべきだった。
根本的な問題として、少年少女が一般人の生活を送りながら、大型ロボットを秘密で所有してるという設定に無理があると思う。いちいちロボットを隠したり現場まで運搬しなきゃらならないのは、お話の展開を制限してるし、非合法とはいえ普通に作業用ロボットがある世界だから、他との差別化も図れていない。解決策としては、第1話よろしく毎回、秘石(ガド)を発動させてスクラップからロボットを錬成させるのはどうだろう? これなら好きな場所でロボットを召還できるし、ほかの作業ロボットとの差別化が図れる。舞台を寂れた工業都市という設定にでもして、そこらじゅうにスクラップがあることにすれば、材料にも事欠かないだろうし。あえて正義の秘密戦隊ものを避けるにしても、もうすこし動かしやすい設定があったと思う。
キュートな造形が話題になったヒロインにしても、せっかく空手家という特性がありながら、素手だと主人公より強いのがまずかったのか、あるいは女の子が人間をボコるのがまずかったのか、序盤以降、派手な立ち回りはないし、せっかく自分のロボットを手に入れても飛行能力以外でさしたる活躍はせず。なまじ人気があるばっかりに、話にかかわらない回で無意味に登場したりと、非常にもったいない使われ方でした。終盤は主人公と一緒に行動し、ラストで思いが報われますが、ずっと一緒であれが最初かよ!とは思った。
序盤の動いてるだけで楽しいアクションが中盤以降、悪くはないが一度観たらもう良いレベルで終わったのも物足りない。ラスト直前、凄いアクションになりそうな破滅的展開を回避しちゃってるのも、予算が厳しかったのではと邪推してみたり。
全体的に、企画段階で造りたかったものと完成したものがずれているというか、これが予定通りだとすると、ちょっと期待未満の展開でした。破綻させないために一応の完結を見せるというプロとして最低限の仕事はしてるけど、序盤にあった「俺はこれが見せたいんだ!」というクリエイターの情熱を感じないラストでしたな。
最近、序盤に期待させて中盤に盛り下がり、ラストでガッカリさせる作品って多いね。
■GADGUARD寸評完全版(地上波未放映話含む)
1話 :アクションの良さ、キャラの可愛らしさ、ストーリーの良さと、バランスが良い。何度か観た。
2話 :おもしろい、わかりやすい、かわいい、よくうごく、ヒロインの恋敵はロボ。
3話 :新キャラの微妙な心理が、2回観たらなんとなくわかった。
4話 :ようやくヒロインが放置プレイから解放? 新キャラ美少年のシャワーシーンは違法気味。
5話 :コレだよ!って面白さ再び。変異体を倒す話なワケね。てか、犬が無駄にサイコー。
6話 :ヒロインをのぞく主要メンバー全員で共同戦線。作画で魅せるレベルには届かず。TV未放映話を、DVDで視聴。
7話 :ついにヒロインもロボゲット。じっくりと人物描写がされていて、5話とは逆方向にイイ感じ。
8話 :作画の良さはあいかわらず。てゆ~か、鉄重機でも鉄鋼人をボコれるんだねぇ。カタナの立場は……。
9話 :不思議幼女の魅力炸裂ですが、なにげにオヤジキャラ達も良かった。葉巻を吸うとか、ちょっとした動きがイイんだよな~。
10話:札束散布で、ゲストヒロインはおジャ魔女どれみ。なんだか毎回、主人公の考え方が違うような……。
11話:話としてはまとまってて良かったが、相変わらず主人公の行動理念が読めないというか、一定しないような。
12話:メカ戦なし。だけど、地味な展開は好きですよ。サブキャラの出現に違和感がなかったし。
13話:アクション良好。やっぱりロボでの暴力行為に後ろめたさがあったのか。
14話:なにか意味ありげな関係を感じさせる運送屋の2人。過去は清算して新しく始めるのもアリだよな。
15話:悪の親玉かと思ったら、単なるイイ人だったのか。話は面白かったが、作画が微妙。
16話:歪んだ正義は暴走を産む。正義のヒーローが活躍しづらい時代になったモンだ。
17話:録画し忘れ。17話からすると、主人公が街を捨てるハメになったらしい。
18話:嫌なら別な場所で仕切りなおしってのが可能な世界なんだな。
19話:ヒロイン出ずっぱりなのだが、作画が微妙で惜しい。
20話:全26話なので、まだ続くらしいがTV版はここまで。続きが観たいと思う終わりだった。
21話:暗闘激化で不思議幼女逐電。これって痴話喧嘩か? 餃子を作る時は、水を塗ってしっかり閉じましょう。これ以降、アニマックス版を録画で視聴。
22話:ゲストヒロインは幽霊気味。無害ならこれもアリでは。主人公はガラス職人になる気もないのに上達しすぎ。
23話:オープニングに登場した怪人物登場。とりあえず協力する主人公の行動はなんとなく理解できる。
24話:宇宙を目指す怪人物と不思議幼女。ロケットって掘れば使える状態で出てくるのか。
25話:そして宇宙へ。暴力装置と不思議幼女……どっちを取っても問題アリのような。捧げた方が展開としては面白かった。
26話:なんだか宇宙と言うよりは異次元のような世界から帰還。知らぬ間に問題は解決して明るくエンド……でいいのか?