数回黒裸
本日から夏休み。
この夏話題のアニメ映画『スカイ・クロラ』と『崖の上のポニョ』を観にきています。いまちょうどクロラを観おわったところで、ポニョ待ち中。Willcom D4で更新。
まずは『スカイ・クロラ』。
老いない子供たちが、ひたすら空中戦をくりひろげるはなし。なかみは大人なので喫煙シーンがやたらと多い。終盤までは押井守監督作品らしい地味展開でふつうに面白いなとおもってたのだが、このラストは……。
ネタバレぎみにいうなら、リセット可能であることが前提の特攻、あるいは自殺でしょうか? 最後は最強の敵を倒してハッピー、で終わらないまでも、もうちょっとがんばってほしい……と期待する観客をあざけるようなラストでありました。
航空機的には主人公機が震電、ライバル機がマスタングをレシプロ的に発展させたような感じ。なのだろうけど、僕にはライバル機が松本零士さんの短編『垂直降下90度』に出てくる架空の試作機キ-99に見えて仕方がなかった。奴は垂直降下で超音速を目指しているのですよ。訴えられないよ、ね?
推進式の戦闘機は、脱出まえにプロペラを投棄するとか、着陸するときは気流の関係でかならずしもまっすぐ進入しないなど、わかってますよな描写にニヤリ。
空戦的には機体性能で勝つというより、アクロバティックな機動ばかりが目立つ。勝ち目の薄い相手と巴戦をするなら最低でも2対1の状況に持ち込む、ぐらいのセオリーはまもってもよかったのではないかと。
でもって、これからポニョを観ます。
……ハイ、鑑賞終了。なんちゅうもんを観せてくれるんや!
『崖の上のポニョ』を簡潔に表現するなら、月の狂気に照らされた幼児カップルの英雄譚、といった感じでしょうか。人間の男の子に恋した魚人少女が、人間になって結ばれるという、ハッピーエンドな人魚姫というプロットなのは間違いないのだけど、それだけでは括れないナニモノかを内包している。
それは近代以降、物語がメディアに晒されることで洗練されることとひきかえに失った混沌の輝きかもしれないし、単に締め切りに追いつめられた創作者の暴走なのかもしれませんが、ともかく超展開というヤツです。
津波に乗って人外少女が波濤に乗ってかけてくるという、冷静に考えればホラーな展開をコミカルに描いてみたり、嵐の峠道を暴走したあげく、物語の都合で自分の息子と見知らぬ幼女を孤島となった崖の上の一軒家に放置するヤンママ(おそらくドリフト族出身)が賢母として描かれていたり、世界が水没したはずなのに水死体のひとつもなく平然と船で避難したり、極めつけに世界の危機をはらんだ人間化への試練と、ツッコミどころ満載の物語を、高度な技術と才能、潤沢な資金で見飽きないエンターテイメントのレベルに昇華しています。
つまるところですね、望むほど世間に認められず、それでもがむしゃらに過剰なサービス精神をつぎこんでいた時代の作品(おおむね『紅の豚』以前)のような、作り手にとってはヌルいかもしれないけれど、受け手にとってはほどよいエンターテイメント作品は期待するなということでしょう。
■押井守監督最新作 映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」公式サイト
■映画「崖の上のポニョ」公式サイト